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原発再稼働の動き 福島を忘れたか・・外遊びもできず、放射能の不安抱えて子育て‥

福島市・学童保育指導員 佐藤秀樹さん(46)の手記

神社(左)には入らない「やくそく」。奥がきりん教室。部屋の前のわずかな場所で遊ぶきりん教室の子どもたち(佐藤さん提供)
神社(左)には入らない「やくそく」。奥がきりん教室。部屋の前のわずかな場所で遊ぶきりん教室の子どもたち(佐藤さん提供)

昨年(2012年)1年間、くらし家庭面で「被災地からのリポート」を書いた福島市の学童保育指導員、佐藤秀樹さん(46)が、政府の原発新規制基準の施行など再稼働に向けた動きにたいして、怒りの手記を寄せてくれました。

「政治変え生活取り戻す」

7月8日に原発の新規制基準が施行され、「北海道、関西、四国、九州の4電力は同日、5原発10基について、再稼働の前提となる新基準の適合審査を原子力規制委員会に申請」との報道がありました。

思わず、「なぜ、参議院選挙の最中に新規制基準の施行なのか」「電力会社は10基もの原発を再稼働させるつもりなんだ…」と激しい怒りが沸き起こりました。東京電力すら再稼働させる気があることに、「福島第1原発事故は終わったの?」「すべての謝罪と補償と清算は済んだつもりなのか?」と憎悪に近い怒りを感じます。

ようやく除染

今でも、福島市内の子どもたちは、生活や遊びの中で活動制限があります。渡利地域にある、さくら保育園の子どもたちも大好きなお散歩がみんなでできないままです。

「来年からは小学生。自分の力で登下校するためにも歩く力をつけさせてやりたい」と年長組の保護者の多くは願っています。でもその意見がすべてではありません。通学路となる道路や側溝、里山、河川敷などが除染されないままで、「子どもたちが、草花を摘んだり虫と戯れたりして大丈夫なのか」「落ちているものを拾っても大丈夫なのか」と不安を持つ保護者も少なからずいます。園としても、私が会長を務める「父母と職員の会」でも「みんなが同じような生活や体験をさせてあげたい」という思いから、各クラスで話し合いを重ねています。保育士の先生方は、個別対応も含めて、一人ひとりの保護者との合意を得る努力を続けています。

渡利学童保育きりん教室の子どもたちも、目の前の神社の除染が済むまでは、その敷地で遊ばないことを「みんなでやくそく」して3年目になります。
それまで、神社の敷地を使って異年齢の子どもたちが、ドッジボールやおままごとなどさまざまな遊びを工夫して生活してきました。それらの遊びは「きりんの伝統」として三十数年、充実しながら引き継がれてきたものです。その「伝承」が今、途切れかけています。

ようやく除染

本来であれば2012年秋、遅くても同年度内に完了するはずだったきりん教室前の神社の除染は、まだされていません。きりん教室父母の会が市に要望し続け、この夏休み中にようやく除染がされます。

いまだに、福島市で、特に渡利地域で子育てしている私たちは、放射能に対するさまざまな不安を抱えながら、子どもたちの成長のために何が今必要なのかを日々決断しながら子育てを続けています。それは、これからも続くでしょう。今、再稼働をするということは、そうした思いを踏みにじるだけでなく、福島第1原発の事故を遠い過去のもの、あるいはなかったかのように振る舞うことと等しいと思います。

選挙中に、新規制基準が施行されること自体、政府が原発事故で苦しみ続けている人たちの思いなどまったく気にしていないことの表れなんでしょう。政権党も「選挙で大勝しそうだ」と国民を愚弄しているのでしょう。今の政治のままでは、「福島」に当たり前の生活を取り戻す道のりは険しいと思います。「政治を変えることの緊急性と必要性」を今回の事態をみてつくづく感じました。

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