東京電力は7月18日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)3号機原子炉建屋屋上の5階中央部分から湯気のようなものが上がっていることを午前8時20分ごろ確認したと発表しました。屋上がれき撤去作業のためカメラで現場を確認した際に見つけたといいます。午後4時現在、湯気のようなものはまだ上がっていますが、発見時に比べて量が減っているといいます。
原子炉への注水や使用済み燃料プールの冷却、原子炉圧力容器や格納容器の温度に異常はなく、燃料のウランが核分裂したときに発生するキセノンガスはみられないことから臨界は起きていないと判断しているといいます。
湯気のようなものが見えたのは、定期検査で核燃料を取り出す際に格納容器内の機器を一時的に保管するプールと、格納容器の間付近です。このプールには雨水がたまっており、東電はこの雨水が蒸発しているとみています。この付近の大気を測定したところ、放射性物質の増加もみられなかったとしています。
3号機は、1時間当たりの放射線量が44・5ミリシーベルト(18日朝)と高く、人が立ち入って作業することが難しいため、無人重機を使って屋上のがれき撤去作業が行われています。湯気のようなものが上がるのは昨年(2012年)7月15日にもありましたが、そのときは時間が短かったので公表しなかったとしています。