東京電力福島第1原発事故の緊急作業に従事した作業員のうち、長期健康管理の対象となる甲状腺の被ばく線量(等価線量)が100ミリシーベルトを超えたと推計される人が1973人になったことが、7月19日までの東電の調べで分かりました。
東電は7月5日、厚生労働省の指示に従い作業員の内部被ばく線量の計算方法を見直して公表しました。これに伴い、甲状腺の等価線量も再評価した結果、1973人が100ミリシーベルトを超えました。東電が昨年(2012年)3月に世界保健機関(WHO)に報告した際、甲状腺被ばくが100ミリシーベルトを超えた作業員は178人で、これに比べると、11倍になります。
甲状腺等価線量は100ミリシーベルトを超えるとがんになるリスクが高まるとされており、対象者は年に1回無料で超音波検査などの検診を受けられます。ただ、既に退職するなどして連絡がつかない作業員もおり、東電社員を含め検診を受けた人は727人にとどまっているといいます。