敷地内の破砕帯(断層)が活断層ではないかと指摘されている関西電力大飯原発(福井県おおい町)を、原子力規制委員会の専門家チームは7月27日、昨年(2012年)11月、12月に続いて3回目の現地調査を行いました。調査は28日も行われます。
大飯原発3、4号機は全国で唯一稼働中の原発。関電は新規制基準施行日の8日に、再稼働の前提となる新基準への適合審査を申請しました。しかし、規制委は敷地内の活断層に関する結論が出るまで、審査しない方針です。
問題になっているのは、3、4号機の重要施設「非常用取水路」を横切っているとされる「F-6」と呼ばれる破砕帯です。新基準では、重要施設の真下に活断層の露頭がないことを求めています。
規制委の専門家チームはこれまで、F-6が延びているとされる、敷地北側で掘られた「台場浜トレンチ」で見つかった地層のずれについて議論。専門家の間で、「活断層の可能性は否定できない」とする意見と、「地滑りの可能性が高い」とする意見に分かれ、結論は出ていません。
今回、専門家チームは、関電が規制委の指示で3号機の南側に新たに掘った長さ約70メートル、幅約50メートル、深さ約40メートルのトレンチ(溝)を中心に調査を行いました。トレンチの底には7本の破砕帯が確認されています。海抜マイナス4メートルのトレンチの底や斜面で破砕帯の性状や地層の様子を詳しく調べたほか、これまで敷地内で掘られたボーリングコアを観察しました。
調査に参加したのは、規制委の島崎邦彦委員長代理のほか、信州大学の広内大助准教授、東洋大学の渡辺満久教授の3人。専門家チームの他の2人は別の日に調査します。