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福島第1原発 砕石層通して汚染水拡大か・・専門家“再稼働に傾きすぎ”

原子力規制委員会は7月29日、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、海近くの観測井戸の地下水から高濃度の放射性物質が見つかり海へ流出している問題について、現時点での考えをまとめました。汚染水が1~4号機のタービン建屋から海側へ延びる電線用の配管などだけでなく、それらの下部にある砕石層を通じて広がっている可能性があると指摘しています。

福島第1原発の廃炉までの工程を監視・評価する検討会会合で報告しました。東電は27日、2号機の電線用配管から採取した水1リットル中に放射性セシウムが23億5000ベクレル含まれていることを明らかにしました。これは、事故発生直後の2011年4月に海洋へ流出した高濃度汚染水と同じレベルで、地下水の汚染源である可能性が浮上しています。

このため規制委は、地下水位以下にある配管などの周囲でボーリング調査を行うことと、調査結果を踏まえ、砕石層を含めた薬液注入などによる汚染水の拡散防止策を実施するよう求めています。また、配管などの中に残っている汚染水を取り除く対策をとるよう求めています。

この日の会合では、東電に対し、現状把握などについて解析ではなく実測を重視するよう求める意見や、汚染水の地下水を経由した流出の危険性はこれまでも指摘されながら、対策がとられてこなかったことについて、「予見できることが必ずしも予見し切れていない」などと指摘がありました。

規制委が、汚染源の特定などを分析する分科会について「こじんまりしたものをつくる」としたことなどに対し、出席した専門家からは「どちらかというと再稼働に注力が多いように思えてしょうがない」と、福島第1原発で起きている重大事態に向き合っていないと批判する声がありました。

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