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営農へ全面賠償求める 東電・各省庁・・福島県農民連が交渉

福島県農民運動連合会(福島県農民連)は8月1日、東京都千代田区の東京電力前で、原発ゼロと放射能被害の全面賠償を求める行動をおこない、東電本店、各省庁と交渉しました。

「東電は償いを果たせ」、「自民党の原発暴走許すな」と抗議する福島県農民連の人たち=8月1日、東京都千代田区の東電本店前
「東電は償いを果たせ」、「自民党の原発暴走許すな」と抗議する福島県農民連の人たち=8月1日、東京都千代田区の東電本店前

東電福島第1原発事故から2年半近くたった福島県の農業被害。東電本店での交渉では、汚染に悩み農業を断念した農家の果樹園を引き受けた規模拡大農家が「東電は、引き受けた増加面積の被害分を払わない」と訴えました。

“経営判断だ”との姿勢をとる東電側。会場を埋めた農民連の会員は「借りてほしいと頼まれれば管理する。われわれは地域を守りたい。東電は被害補償を減らし福島の農業をつぶす気なのか」「放置すれば、病害虫が広がる。東電は耕作放棄地が増えればいいと思っているのか」と批判しました。東電側は、“現地をみて検討する”と答えざるをえませんでした。

参加者は、花卉(かき)農家の苗被害やシイタケの原木被害などで賠償の減額や支払いの遅れがあること、耕作できない原発20キロ圏内の農地の支払い済み賃借料が賠償されていないことなどの問題を追及しました。

衆院第2議員会館でおこなわれた関係省庁への要請では、福島県農業の復興のため将来展望がもてる対策を要求しました。

これに先立つ東電本店前での行動で、福島県農民連の亀田俊英会長は、除染後の汚染水が用水路に流されてきたと告発し、「福島の農業復興には長いたたかいが続く。完全賠償するために頑張ろう」と訴えました。国公労連の代表が連帯あいさつし、福島県の農民は「原発の廃炉をすぐに」と求めました。

日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が「皆さんの行動が国を動かしている」と激励あいさつしました。

福島県農民連切せつ・・農業を続ける展望を示して 省庁交渉

福島県農民連が8月1日、東京都内でおこなった「原発ゼロ・全面賠償を求める行動」では、政府に責任ある対応と東京電力への指導を求めて、関係省庁と交渉しました。衆院第2議員会館でおこない、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員らが同席しました。

放射能による農業汚染地域を農産物生産の「条件不利地域」だと認定し、国が10アール当たり3万円の「直接支払い」を行うことを求めました。参加者からは、事故から2年半近くたってもいまだに高い濃度の土地が残っていることへの不安や、「農業を続けられる展望がみえない」という切実な訴えがでました。

「あんぽ柿」検査体制の整備について、農水省側は「ブランドが消えるのは農水省としても看過できない」とし、あんぽ柿の復興協議会をつくり総合対策を進めていることや、米の全袋検査と同様の全箱検査を検討していることを答えました。

▽継続を断念した農家の経営をひきついで「規模拡大」した農家に対する、拡大分の賠償金支払いを東電が拒否している問題▽風評被害への賠償について東電が「相当因果関係」がなければ応じないとする問題などについては、東電に是正の指導を続けるという従来通りの回答に終始。「今までの延長線上の扱いでは話にならない」と批判の声があがりました。

農家の健康診断の無料化と経年的な調査などの要求については回答がなく、高橋議員は「農家の健康対策については国会でも大きな問題になっています。しっかりした回答を」と求めました。

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