東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)が立地する柏崎市の会田洋市長は8月6日、市役所で記者会見し、東電による同原発6、7号機の安全審査申請について「審査の中で安全性を確認したい」と述べ、事実上容認する考えを示しました。これに対し、新潟県の泉田裕彦知事は東京都内で記者団に、「(従来とスタンスは)変わらない」と語り、了承しない考えを改めて表明しました。
会田市長は会見に先立ち、同原発の横村忠幸所長に会い、東電が計画する6、7号機への「フィルター付きベント(排気)」の設置を了解する意向を伝えました。同設備は、原発の新規制基準で設置が求められています。
市長は審査申請の条件として、ベントの運用を自治体と十分に協議することなどを挙げた上で「原発再稼働を認めるものではない」としました。同じく立地自治体である刈羽村も、ベント設置を了解する意向を東電側に伝えました。
一方、泉田知事は5日にコメントを発表しており、同ベントは放射性物質を外部に放出する設備であり、「運用面も含めた安全性の確認が必要」と指摘。福島第1原発での汚染水をめぐる東電の対応に、原発を扱う企業として「信頼に足る会社なのかも疑問」と述べていました。