国内で唯一稼働中の原発で、敷地内の破砕帯(断層)が活断層ではないかと指摘されている関西電力大飯原発について、原子力規制委員会の専門家チームは8月19日、現地調査などを踏まえた評価会合を開きました。この日は、結論には至らず、評価会合は継続することになりました。
同原発では、「F―6」と呼ばれる破砕帯が南北に伸び、北側で3、4号機の重要施設「非常用取水路」を横切っているとされています。この日、関電がF―6破砕帯が長さ650メートル以上連続し、火山灰などの調査から、その上部の堆積層に変位が見られず、活断層ではないとしました。
東洋大学の渡辺満久教授は、F―6破砕帯の連続性に疑問を呈し、「別々の断層をつなげている可能性がある」と述べるとともに、関電が掘削したトレンチ(溝)の中には「将来活動する可能性がある断層」があるとしました。一方、岡田篤正京都大学名誉教授は、F―6破砕帯は「(活断層の定義である)後期更新世に活動してはいない」とする意見を述べました。
また、関電がF―6破砕帯の連続性を検討した際のボーリング調査の詳しいデータを求める意見が複数ありました。
関電は大飯原発3、4号機について、再稼働の前提となる新基準への適合審査を申請。しかし、規制委は敷地内の活断層に関する結論が出るまで、審査しない方針です。この日、関電は「一日も早く審査を」と評価会合の議題と外れた意見を表明していました。