東京電力福島第1原発で起きた、タービン建屋地下などにたまった高濃度放射能汚染水を計画外の建屋地下に移送してしまった問題で、原子力規制委員会は4月16日、汚染水を移送するポンプの電源スイッチのある分電盤の施錠や監視カメラの設置などを東電に求める意見が出されました。
東電はH日、4号機南側で処理前の汚染水を一時的にためている建屋の水位低下を把握。非常時に備えて仮設置したポンプ4台の電源が入っており、本来の移送先ではない建屋に約203トンの汚染水が誤送されていました。分電盤は施錠されていませんでした。
更田豊志委員は「誤操作を含む、計画されていない操作を防止するため、管理の強化を求める」として分電盤の施錠や監視カメラの設置などの必要性を指摘。田中俊一委員長は、規制庁に「東電に指示を」するよう求めました。
「アルプス」で吸着材あふれる・・福島第1原発
東京電力は4月16日、福島第1原発で汚染水の放射性物質を吸着材で減らす装置「ALPS(アルプス)」で、放射性物質を吸着させた樹脂などの混合物が保管容器から1・1トンあふれたと発表しました。あふれた混合物には全ベータ(ストロンチウム90など)が1リットル当たり380万ベクレル含まれていました。混合物は、容器を置いた仮設建物内の堰(せき)内にとどまっているといいます。
同日午後0時19分ごろ、関連会社の作業員が発見。東電によると、当時、フィルターの不具合で性能が大幅に低下したB系統の吸着装置を洗浄するため、ろ過水を混ぜて吸着材を抜き出し、ポンプで保管容器へ移送する作業中でした。原因は調査中です。
保管容器は容量2・8トン。排水ポンプで上澄み水を抜き取ることもしながら、吸着材を容器内にためていたといい、監視するカメラを見て、移送ポンプの流量を調整していたといいます。