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福島第1原発 基準超す地下水初検出・・「バイパス計画」井戸から1600ベクレル/凍土壁の安全性疑問・・規制委が検討会

東京電力は4月17日、福島第1原発の「地下水バイパス計画」で水をくみ上げるための12本の井戸の一つで15日に採取した水から、1リットル当たり1600ベクレルのトリチウム(3重水素)が検出されたと発表しました。この計画での東電の放出基準は同1500ベクレル未満で、基準を超える放射能濃度が検出されたのは今回が初めて。

今回、基準値を超えた井戸の上流側130メートルほどの地点には、昨年(2013年)8月に約300トンの放射能汚染水が漏れたタンクがあり、この井戸のトリチウム濃度は他の井戸と比べて突出して高い傾向が続いています。

地下水バイパスは、原子炉建屋地下などの高濃度汚染水にふれる前の地下水をくみ上げて海に流す計画。政府や東電は早ければ5月の連休明けにも海への放出を開始したいとしています。

東電は、12カ所の井戸でくみ上げた水をいったん同じ貯蔵タンクにためて基準値を下回っていれば放出する方針。この仕組みでは一つの井戸で基準値を上回っても、薄められて放出される可能性があります。井戸からのくみ上げは9日に開始され、すでに600トン以上ためられています。ただ受け入れ側のタンクの水位計が故障したため、くみ上げは14日から停止しています。

凍土壁の安全性疑問・・規制委が検討会

東京電力福島第1原発で汚染水対策の1つとして国と東電が計画している「凍土遮水壁」の安全性や効果などについて、原子力規制委員会の検討会による議論が4月18日に始まりました。

凍土遮水壁は、1~4号機の周囲1500メートルに冷却管を埋め、土壌を凍らせて地下水を通さなくする仕組み。政府は、汚染水の増加原因となっている建屋に流入する地下水を抑制する「抜本策」として、国費約320億円の投入を決定。今年6月に本格的な建設が予定されています。

検討会では、凍土遮水壁を造ることで「原子炉側で地下水位が上がる」「機器のトラブルで凍土遮水壁が溶ける」などの専門家の「不安要因」を紹介したほか、出席した専門家からも「地盤沈下について十分検討しているのか」「凍土遮水壁に長期間、水圧がかかり、地下で壁が変形しないか」などの意見が相次ぎました。福島県の職員からは「(政府や資源エネルギー庁の会議で)安全性の検討が抜けているので、整理してもらいたい」と要望がありました。

凍土遮水壁をめぐっては日本陸水学会が昨年9月、「より大きな事故を引き起こす可能性が高い」とする意見書を発表しています。

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