四人の命を奪った関西電力美浜原発3号機(加圧型軽水炉、八十二万六千キロワット)の配管破裂事故をめぐり、日本共産党国会議員団は十日、同原発のある福井県美浜町で現地調査を行いました。調査には、吉井英勝、塩川鉄也両衆院議員、木島日出夫前衆院議員と地方議員ら十四人が参加しました。
関電若狭支社側が事故について説明。調査団は「稼働中のタービン建屋(事故現場)に作業員を(事故当時)二百人も詰め込むなど、かつてはなかったこと。以前は百二十日あった定期検査の日程が三十日以上も短縮していることに関係があるのではないか」と質問。藤井堯支社長は、「データがないので申し上げられない。どういう形の作業がいいのかは、各協力会社の作業員確保の問題もある」と明言を避けました。
必要な配管の点検が行われてこなかった理由については、「きちんと行っているつもりだったが抜けていた」「未点検の部分は今後速やかに点検したい」と答えました。
同県にある関電大飯原発で、「同様に配管の厚みがすりへる異常があったにもかかわらず美浜原発では点検しなかったのか」と、調査団に問われると、「結果的に軽く見ていたといわれても仕方ない」とのべました。
吉井氏は、「労働者や住民の安全・命がおろそかにされている、ゆゆしき問題だ」と厳しく指摘しました。
調査団は、事故現場も調査。事故の起きたタービン建屋(三階建て)は、アルミと保温材で包んだパイプと鉄柱が入り組んでいるところ。金網状の床には、保温材として使われた数ミリから二十センチ程度の石こう状の粉が散乱しています。
破断したパイプは数十センチにわたって観音開きに内側からめくりあがり、破裂のすさまじさを物語ります。二十八年前、十ミリの厚さで製作されたはずのパイプは、薄いところで一・四ミリ、厚いところでも三・四ミリに減肉しています。
木島氏は「まるで紙のように見えた。二十数年間の摩耗があったと思う。真相究明に全力をあげたい」と語りました。
調査を終えた塩川氏は「国会での閉会中審査の要求など、多面的に原因究明を進め、安全の確立を求めていきたい」と話しました。