福島県の沿岸部12市町村の公立小中学校42校中32校が避難区域外の仮校舎などで授業を再開していますが、児童・生徒は事故前に比べ8割減少しました。福島第1原発事故から2年半が過ぎ、避難先で親が職を見つけたり、子どもが転校先になじんだりしているためとみられます。
42校の児童・生徒数は事故前の8388人(文部科学省の学校基本調査)から、今年度の2学期開始時点で1619人まで減りました。小学校7校と中学校3校は休校のままです。
浪江町は、事故前の…2010年5月時点で小学校6校に計1162人が在籍していましたが、再開は1校で児童は19人。中学校も再開は3校中1校で、生徒は611人から43人に減りました。
町教委の担当者は「事故から時間がたち、避難先で生活基盤を作っている。なかなか戻っては来ない」と話します。
昨年(2012年)4月に立ち入り禁止の警戒区域が解除された南相馬市小高区も、児童・生徒は事故前の3割程度の計277人にとどまります。「30~40代の子育て世代が避難先から戻らない」(市教委)といいます。
広野町と川内村は元の校舎で授業を再開。住民帰還に向けた長期宿泊が始まった田村市都路地区は、市が14年4月に元の校舎への復帰を目指します。