日本共産党嶺南地区委員会 > 美浜3号事故 > 配管の厚み、設計値10ミリが1.4ミリまでに減肉・・材質や構造に問題か

配管の厚み、設計値10ミリが1.4ミリまでに減肉・・材質や構造に問題か

福井県美浜町の関西電力美浜原子力発電所3号機で四人が死亡、七人が重軽傷を負うなどした蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は十日、高圧の熱水が通る主配管が材質や構造上の問題などから金属の厚さ(肉厚)が薄くなり、破れて事故につながった可能性が強いとみて、本格的な原因調査を開始しました。県警敦賀署捜査本部は、業務上過失致死傷の疑いで現場検証し、管理体制に問題がなかったか調べを進めます。

保安院や関電のこれまでの調べによると、破れて蒸気が噴き出した配管の設計値は、直径約五十六センチ、肉厚が約十ミリ。安全を保つために必要な最小肉厚は四・七ミリでした。

これに対し、めくれた部分の肉厚は最も薄い所で一・四ミリしかなく、大幅な減肉が認められました。

また、配管の材質は炭素鋼でステンレスに比べて減肉が起こりやすい上、内部を流れる水は、温度が約百四十度、九気圧以上と高温高圧状態でした。

さらに、配管が破れた部分には「オリフィス」と呼ばれるステンレス製リングの流量測定装置が内部にあり、内径五十四センチの配管を三十四センチに絞り込む構造となっています。破れは、同装置の下流約五十センチの所で起きており、関電などはここを通る熱水の流れに乱れが生じ、材質の特性とも相まって、破損につながった可能性があるとみています。

同社によると、配管の検査は曲線部分など水の流れに変化がある部分を優先。直線になっている問題の個所については、これまで目視による点検だけで、超音波による詳しい検査は一九七六年の運転開始から三十年近い間、行われていませんでした。

一方、タービン建屋二階で高温の蒸気を浴びた作業員らは、配管から直線距離で約十一メートル離れた所にいたことも判明。関電は、蒸気は三階などにも漏れたとしています。同建屋では、計十四社の作業員が従事していたといいます。

徹底検査求める

福井県知事十日開催された臨時福井県議会で、関西電力美浜3号機事故について西川一誠知事は「県民の命が奪われた重大事故できわめて遺憾。関西電力、国に対し、原因究明と再発防止をもとめる。定期検査を待たず、すべての原発で徹底した検査をもとめていく」と述べ、運転中の原発についても安全総点検をもとめる考えを明らかにしました。

これに先立つ福井県議会・全員協議会で、日本共産党の佐藤正雄県議は「関西電力がこの原発だけ検査できていなかった、と発表したそうだが、信用できない。関西電力の他の原発も運転を止めて、総点検をおこなうようもとめるべきだ。また、関西電力のプルサーマル計画については、見直すべきだ」と主張しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です