東京電力は9月18日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1、2号機の原子炉建屋そばの主排気筒を耐震安全性評価のため現地調査した結果、鋼材に破断が見つかったと発表しました。原子力規制庁によると、この排気筒の根元部分は原子炉圧力容器などと同レベルの耐震安全上最も重要な機器「Sクラス」に分類されており、破断箇所も「Sクラス相当」の強度が求められています。
この排気筒は2011年3月12日に1号機からのベント(原子炉内の圧力を下げるために中の空気を抜くこと)に使われたもの。同年8月には排気筒の底部で毎時1万ミリシーベルト(10シーベルト)以上の放射線量が検出されています。その後、この排気筒付近は立ち入り禁止になっています。
東電によると、遠距離から望遠カメラで観察したところ、排気筒を周囲から支えている鉄骨の鋼材の接合部440カ所のうち8カ所に破断やずれなどが見つかったといいます。東電は「最初の大きな地震(東北地方太平洋沖地震)の折に生じたものではないか」としています。排気筒の高さは120メートルで、破断が見つかった箇所は高さ66メートルでした。