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原発事故テーマの創作ミュージカル「バックトゥザ・フーちゃん」3作目/一番大切なもの届けたい

原発事故や誘致反対をテーマに、2013年に初演した創作ミュージカル「バックトゥザ・フーちゃん」の3作目が、今月14、15の両日、アマノ芸術創造センター名古屋(愛知県名古屋市)で上演されます。主催は、5歳から80代までの約70人が参加する「愛知子どもの幸せと平和を願う合唱団」です。今回のテーマは「いちばん大切なもの」。練習場を訪問しました。(横田真美子)

「バックトゥザ・フーちゃんⅢ」は、24年1月1日の宇多浜町(仮名)に初詣に来ていたフーちゃんたちが、緊急地震速報を聞くことから始まります。能登半島地震(石川県)の震源地・珠洲市には、かつて原発建設計画がありました。このことから原発建設を住民運動などで止めた地域が、全国で50カ所以上あることを知ります。三重県南島町(現・南伊勢町)では、芦浜での原発計画を白紙に戻しましたが、対立で深まった住民たちの溝は今でも埋まらないといいます。

それぞれの地域で取材した人たちは作中、実名で登場します。元福井地裁裁判長の樋口英明さんもその一人。「大飯原発の運転差し止め訴訟を担当したことで、原発のとてつもない危険性を知りました」といいます。原発事故が起きた際の被害の大きさを、その耐震性の低さから指摘します。

合唱団を指導する指揮者で作曲家の藤村記一郎さんは、「責任は重大です。描こうとしたことがちゃんと伝えられるような舞台にしたいです」と語ります。

2年後に初演

初演の「バックトゥザ・フーちゃん」は東日本大震災・福島第1原発事故から2年後、「合唱団として、なにができるのか」と、実際に被災地に足を運んで創作されました。21年に「福島の今」を伝えようと、「バックトゥザ・フーちゃんⅡ」を上演。子どもたちと現地に何度も足を運び、「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」の原告団でもある三瓶春江さんとも交流しました。24年には福島や東京でも公演しました。

「フーちゃんⅡ」からフーちゃん役を演じる雨宮由里子さん(20)は、小学1年生のときに「フーちゃん」の初演を見て合唱団に参加するようになりました。「フーちゃんは、みんなを引っ張る元気な役です。能登や芦浜に行って感じたことを、子どもたちと精いっぱい、客席を巻き込んで伝えていきたいです」

演技が楽しい

フーちゃんの同級生・シンヤ役の寺西亮馬さん(23)は、「演技するのが楽しいです。(合唱団を)離れたこともあるけど、たくさんの大人たちに見守ってもらいました」と話します。亮馬さんと初演から出演している母の寺西美予さんは、目が見えません。美予さんは、「振り付けは、子どもたちも教えてくれるんですよ」と笑います。

「フーちゃんⅢ」から参加する泉日菜子さん(9)は、「みんなと仲良く歌ったり、踊ったりして楽しいです。悔いのないように舞台に立ちたい」と意気込みを語ります。日菜子さんは、弟の陽介さん、朝陽(あさひ)さん、晴斗(はると)さん、父母と6人で出演します。母の春果さんは、「私たち大人が、緊張で手を震わせながら歌ったり、初めてのことを学ぶ姿は、子どもたちにとってもいい経験です」と話します。

台本・作詞を手がけた博士役で団長の清水則雄さんはいいます。「一番大事なのは、『人の命が守られること』です。原発事故も戦争も、命を奪ってしまいます。私たちの合唱団は、子どもたちがたくさんいますから、その未来を守りたい。作品を通して、自分ごととして考えてもらえるような舞台にしたいです」

今月14・15日 名古屋で上演

公演は14日(土)午後3時半、15日(日)午前11時・午後3時半の3回。前売り券の指定席は2500円(30歳以下・障害者は2000円)、自由席は2000円(当日券は500円増)。協賛金も募っています。映像配信もあります。問い合わせ 電話090(1759)9691、事務局・雨宮さんまで。詳細はQRコードから

(「しんぶん赤旗」2026年3月6日より転載)