日本原子力発電(原電)が東海第2原発の再稼働にあたり、事前に了解を得なければならない周辺6市村(東海村と水戸、日立、ひたちなか、那珂、常陸太田の5市)の首長懇談会が11日に開かれました。原電から、2月4日に東海第2原発で発生した中央制御室の火災などについて説明を受け、意見交換しました。
原電はこれまで移動式炉心内計装のシェアバルブの作動試験で、大容量のヒューズを使用した時に通電時間が本来の手順より長かったために火災が発生したと報告していました。非公開だった会合後に、原電の村松衛社長らが報道陣の取材に応じました。「作業員は危険に気付かなかったのか」と質問すると、山口嘉温東海第2発電所長は「作業員が電話のやりとりに気をとられていた」などと答えました。
村松社長は、社員の専門性や技術的な課題について「机上の学文知識は十分にあるが、現場力に課題がある。運転停止期間が長くなり、49%が運転を経験していない状況で、世代間のギャップがある」とも話しました。
記者が「(今回の)作動試験は何のためにしていたのか」と問うと、村松社長は「再稼働する前に行うもの」と答えました。さらに「今のタイミングでは2026年12月の再稼働は変わらない」と述べました。
首長懇談会・座長の山田修東海村長は「中央制御室の火災はあってはならないこと」と指摘。「住民の信頼を取り戻すことが必要だ。これからの原電の対応が問われている」と苦言を呈しました。
(「しんぶん赤旗」2025年4月13日より転載)