東京電力は9月26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、大量の高濃度放射能汚染水が漏れたタンクの北側の観測井戸で24日に採取した水から1リットル当たり17万ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。
この井戸では8日に採取した水からトリチウムを同4200ベクレル検出して以後、濃度が急上昇し、14日に採取した水から同17万ベクレルを検出。その後いったん同4万1000ベクレル(18日)に低下しましたが、22日と23日の採取分では同15万ベクレルに再上昇していました。
海近く排水溝・・濃度が上昇
東京電力は9月26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタンクから大量の放射能汚染水が流出した問題で、タンクそばを通る排水溝で、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)の濃度が上昇したと発表しました。汚染水が依然として海へ流出している可能性があります。
東電によると、排水溝の海から約150メートルの地点で25日に採取した水から1リットル当たり160ベクレルの全ベータが検出されました。
放射能汚染水に多く含まれるとみられるストロンチウム90は、環境への放出が許される法令限度が1リットル当たり30ベクレルです。ストロンチウム90が法令限度を超えている可能性があります。
同じ地点では、15日採取分から同280ベクレルが検出されていましたがその後減少し、19日から24日までに採取した水からは検出されていませんでした。