新潟県は9月26日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働に必要な原子力規制委員会への安全審査申請を、条件付きで容認する方針を決めました。東電はこれを受け、27日、規制委に審査を申請します。同原発の再稼働を経営再建の柱と位置付けています。
柏崎刈羽原発6、7号機はともに出力135万キロワットの国内有数の大型原発。直下に断層の存在が確認されています。福島第1原発事故の原因は未解明で、汚染水が海に流出し続けるなど非常事態にあります。再稼働を狙う東電に対し、国民の安全を置き去りに経営を優先するものと批判の声が上がっています。
東電が世界でも例をみない事故を引き起こしながら、再稼働を申請できるのは、「再稼働ありき」で暴走する安倍政権の姿勢が背景にあります。
これまで審査の申請がされた原発は、いずれも加圧水型で、福島第1原発と同じタイプの沸騰水型の申請は初めてとなります。
東電・柏崎刈羽原発 再稼働申請資格ない
・・安全保証なく営業を優先/持田繁義・党柏崎市議
原発の安全が保証されないなか、どんな条件をつけても、営業を優先する東電に協力するのは問題があります。
福島第1原発事故の原因はいまだに分かっていません。新たな規制基準は原発の安全を保証するものではありません。
また東電は、汚染水への対応を見ても当事者能力がありません。地下水対策の必要性は早い時期から指摘されていたのに、対応を怠ってきたわけでとても原子力を扱う資格、再稼働を申請する資格がない事業体です。
県は県民の立場に立って、安全を求める姿勢を貫くべきです。
新潟県が条件付き容認
新潟県が9月26日、東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働に必要な新規制基準への審査申請をすることを条件付きで容認した問題で、同県は東電に対し、地元の了解が得られない限り「フィルター付きベント」を使用しないことを審査の申請書に明記するよう求めました。
フィルター付きベントは新規制基準で義務づけられた排気装置。事故が起きた場合、原子炉格納容器内の圧力が上がるのを抑えるために、放出される気体から放射性物質をこし取って外部に逃がす装置です。東電の広瀬直己社長は25日に泉田裕彦知事と会談し、フィルター付きベントを追加増設する対策を提示していました。
この時、原発で事故が起きた際、住民避難が終わっていない時にベントするかどうかの判断が議論になっていました。
東電は7月2日、柏崎刈羽6、7号機の安全審査を早期に申請することを取締役会で決定。しかも、泉田裕彦和事は、東電が地元に説明する前に申請方針を決めたとして反発してきました。
その後、東電が今月21日、新潟県の了解を得た後で申請する方針を発表していました。