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行政追随の不当判決/伊方原発運転差し止め訴訟棄却

不当判決に「司法は義を失い、民は滅ぶ」と書いた垂れ幕を掲げる人たち=18日、松山地裁前

松山地裁

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の周辺住民ら約1500人が運転差し止めを求めた集団訴訟で、松山地裁(菊池浩也裁判長)は18日、国の原子力規制委員会の審査を妥当とし、「安全性を欠いているとは認められない」として住民の訴えを棄却する不当判決を出しました。

 主な争点の一つの地震に対する安全性について、住民側は「四国電力の基準地震動は余りにも過小」と主張しましたが、判決は「新規制基準における基準地震動の策定手法は合理的」とし、「3号炉の施設の耐震安全性の評価に不合理な点はない」としました。

 判決後の報告集会で薦田伸夫弁護団長は「本当に残念な判決で『原子力規制委員会が許可をすれば安全だ』という行政追随だ。司法は国民の基本的人権を守らないといけないが、そういう観点がまったくない。専門家を含めて証人尋問をやったが、まったく判決にいかされていない非科学的な判決だ」と批判しました。

 福島原発事故後に福島から愛媛に避難した原告の渡部寛志さんは「福島第1原発事故で多くの人たちが生きる場を追われ、くらしを奪われ、いつ戻れるかもわからない。ひとたび事故が起これば元の地には戻れない。裁判官の目は誰に向いていたのか疑問だ。裁判官の心は私たちには向いていない。大きな疑問を感じる」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2025年3月20日より転載)