
東日本大震災から14年を迎えた11日、各地で追悼が行われました。(関連13面)
仙台市若林区
震災遺構になっている仙台市若林区の旧荒浜小学校の校庭には多くの訪問者があり、午後2時46分に犠牲者を悼み、1分間の黙とうをしました。
4階建ての旧荒浜小学校は東日本大震災当時、2階部分まで津波が襲いました。しかし避難してきた約320人の住民や児童を犠牲者を出さずに守り、震災遺構として2017年から一般公開されています。
中学校を卒業したばかりだという男性(15)は、仙台市西部の太白区から自転車で1時間半かけてきました。「震災は覚えていないので、当時のことを知りたいと思ってきました。地震の大きさ、自然災害の怖さを知ることができた。日頃から防災意識を身につけたい」と話しました。
岩手・大船渡
大規模な山林火災が起きた岩手県大船渡市では、大船渡湾の対岸に火災現場が見渡せる、みなと公園展望広場で午後2時46分に鳴らされたサイレンとともに参加した市民が黙とうし、献花しました。
震災で妻を失った千葉憲明さん(76)は「今回でようやく気持ちの整理がついた」と語り、犠牲者の芳名板に手を合わせます。
「震災直後は体から力が抜けてしまい何もできなかった」千葉さんですが、親族の支えで家の再建を決意。「妻を亡くした場所に建てる気にもなれず、高台に移転しました」。しかし、今回の山林火災で移転先の自宅に火が迫りました。「これで焼けたら立ち直れないと、気が気ではありませんでした。火が回らずに本当によかったのですが、叔母の家が被災しました。今度は私が支えなければと考えています」
(「しんぶん赤旗」2025年3月12日より転載)