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若者BOXワイド 原発ゼロへ「政治を変える」/参院福島選挙区候補 小山田ともこさん(31)

「原発ゼロ・再生可能エネルギー普及」の政策を訴える小山田さん(右)=3日、福島市

父母らと離れて避難を経験

被災地復興の“あり方”疑問

 2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難を経験した日本共産党員の若者が2月、参院選・福島選挙区への立候補を表明しました。原発事故で警戒区域に指定され、約4年半にわたって避難指示が発令された福島県楢葉町出身の小山田ともこさん(31)です。小山田さんは「力を合わせて原発ゼロの社会をつくろう」と訴え、県内を駆け回っています。(丹田智之)

 震災の当時、楢葉町の自宅で祖父や父母と4人で暮らし、県立磐城高校(いわき市)に通学していた小山田さん。地震の翌日に避難指示が発令され、避難所のテレビで原発事故の発生を知りました。

 「なんとなく原発は安全だと信じていましたが、とんでもないことが起きたかもしれない」と悪い予感がしました。その予感は現実になり、小山田さんは「しばらく楢葉には戻れない」と知りました。

 小山田さんは母と東京都内や横浜市内の親戚の家で過ごし、仕事のため福島県相馬市にいた父と離れて3週間ほど避難しました。家族と楢葉で暮らすことができず「不安や寂しさが大きかった」と振り返ります。

 小山田さんは高校卒業までの1年間、いわき市内のアパートで1人暮らしをしました。「授業や合唱部の練習には出られていましたが、生活環境が大きく変わり、帰宅すると孤独で気分が落ち込んだ」といいます。生活の様子などを聞いてくれる地元の日本共産党の人たちが支えになり、被災者の支援を続けていたことへの信頼を感じて党員になりました。

人々の輪へ

 高校卒業後は横浜市内の親戚宅に身を寄せ、国会前の反原発デモなどに参加しました。「原発をなくす選択肢がある」と確信し、声を上げる人々の輪に入っていきました。

 1浪で進学した長野県の信州大学では、歴史学を専攻。ワンダーフォーゲル部に所属し、テントに泊まりながら北アルプスの山々を歩きました。

 大学卒業後は福島市に転居(現在は須賀川市在住)し、党県委員会の専従職員や日本民主青年同盟の県委員長として活動を続けてきた小山田さん。当時の様子を知る酒井麻未さん(39)は「県内で避難生活中の被災者に支援物資を届け、一緒に困りごとの聞きとりをしました。民青の活動では『学費を稼ぐためにアルバイトをして授業に出られない』という学生の悩みを聞き、親身に寄り添いながら政治を変える展望を語っていました。小山田さんは明るくて親しみやすく、一人ひとりの意見を受け止めてくれた」といいます。

 原発事故で県内外に避難した住民の多くは、故郷に戻って暮らしたいと願いながらも生活再建の困難に直面し、今も帰還できていません。小山田さんが生まれ育った楢葉町は2015年9月に避難指示が解除されましたが、人口は被災当時の約8000人から約6400人に減少しました。このうち町内に居住する人は、約4500人にとどまっています。

 小山田さんの祖父は「楢葉に帰りたい」と願っていましたが、避難先の東京都内で亡くなりました。

 「『原発事故さえなければ…』という思いの県民がたくさんいる」と小山田さん。離れて暮らす家族の事情もあり、楢葉町にあった家を解体することになりました。

選挙に決意

 小山田さんが参院選への立候補を決断したのは「原発事故を終わったことにはさせない」との思いからでした。被災地の「創造的復興」を掲げる国と県は、避難指示が解除された地域で大企業の誘致などを進めてきました。次々と建設される大型施設など「被災者の生活とかけ離れているのではないか」と、小山田さんは“復興のあり方”に疑問を感じています。

 多くの沿岸漁業者が反対し、県民の賛否が割れる中で、国と東京電力は原発から出る汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を行いました。そうした中で、石破茂内閣は「第7次エネルギー基本計画」を閣議決定(2月18日)し、原子力について「最大限に活用する」としました。福島第1原発では廃炉作業が長期化し、汚染土の処分をはじめとする課題も山積しています。

 改選数1の福島選挙区では、自民党の現職と立憲民主党の新人が立候補を予定しています。

 「原発ゼロを掲げて選挙をたたかうことが大事だと思った」と決意を固めている小山田さん。「原発が存在する限り、住民は重大事故の不安を抱えます。復興の土台になるのは、原発のない社会です。『原発をなくそう』と声を上げ、県民の力を合わせて政治を変える選挙にしたい」と意気込んでいます。

(「しんぶん赤旗」2025年3月9日より転載)