「原発と司法―いま私たちに問われていること」
「原発と司法―いま私たちに問われていること」と題した公開市民シンポジウムが26日、東京都内で開かれ、オンライン視聴と合わせて約230人が参加しました。日本環境会議、ノーモア原発公害市民連絡会と6・17最高裁共同行動2025実行委員会が共催。
東京電力福島第1原発事故をめぐり最高裁は2022年6月、国の責任を否定した判決を出しました。最高裁判決を撤回させなければ原発政策が後退しかねないと活動する日本環境会議理事長でノーモア原発市民連絡会共同代表の寺西俊一さんは、シンポジウムを日本の原発政策を転換させる取り組みに向けて大きな世論形成に役立ててほしいとあいさつ。
シンポジウムでは4人が講演、ジャーナリストの金平茂紀さんは福島第1原発事故を振り返りつつ、「忘れちゃったかのように物事が進んでいる、とても許せない」と発言。原発が今や社会的共通資本の維持と相反する存在になったのではないかとし、声を上げることの大事さを語りました。
元裁判官の樋口英明さんは「原発を動かすことは耐えがたいほど正義に反する」と批判。最高裁判決について、法令の趣旨や解釈に触れず「法律家が読んでも意味がわからない」と指摘しました。脱原発訴訟弁護団全国連共同代表の海渡雄一さん、吉村良一・立命館大学名誉教授がそれぞれ原発差し止め訴訟、原発事故賠償訴訟について話しました。
各地の原発訴訟の原告から「二度と同じ事故を起こさせない、被害者を生まない。原発事故を起こさない社会をつくっていきたい」などの訴えがありました。
(「しんぶん赤旗」2025年1月27日より転載)