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原発事故 二度と起こすな/生業訴訟第2陣で口頭弁論 福島地裁

東京電力福島第1原発事故の被災者約2000人が国と東電に慰謝料と地域の原状回復を求めた生業(なりわい)訴訟第2陣の口頭弁論が23日、福島地裁(小川理佳裁判長)であり、原告4人が証言に立ちました。

 福島市大波に住む女性(70代)は、原発事故が家族の人生を壊したと厳しく批判。農作業に一日中励んでいた義父が突然、生きがいを奪われてうつ状態になり、最後はパチンコ依存症のようになったと述べ、「原発事故がなければ」と声を詰まらせました。

 二本松市の農家女性(50代)は避難による家族の分断や、子どもが安心して生活できる環境を奪われたことを告発。「子どもや孫たちの未来を考えた活動が大事だ」と訴訟に加わった理由を話しました。

 福島市内の保育士は、事故後の被ばくを回避する保育園ぐるみの努力を述べるとともに、「以前の五感を生かした保育には到底及ばない」と訴えました。

 東電による原告本人尋問を受けた園芸農家男性(70代)は、避難生活のなかで病死した母親と妻を悼むとともに、故郷で事業再開できない苦悩を発言。「子や孫の世代までに緑の田園地帯を取り戻してほしい。二度と原発事故を起こさないでほしい」と話しました。

 口頭弁論前の進行協議で地裁は8月26日結審をめざすと原告、被告双方に伝えました。次回は3月3日の予定です。

(「しんぶん赤旗」2025年1月25日より転載)