日本共産党国会議員団は17日、政府の審議会で議論されている次期エネルギー基本計画(エネ基)と来年2月までに国連に提出する政府の温室効果ガス削減目標について政府に要請しました。基本計画について原案で示された「原子力の最大限活用」をやめ、石炭火力の廃止期限を明確にすることや、温室効果ガス削減目標を2035年度までに13年度比で75~80%に引き上げることなどを求めました。
日本共産党の小池晃書記局長、山下芳生副委員長、岩渕友、吉良よし子の両参院議員、辰巳孝太郎衆院議員が加藤明良経済産業相政務官に申し入れました。
温室効果ガス削減目標では政府が先月、13年度比で60%削減目標を軸に検討すると発表しています。小池氏は参院本会議の代表質問で気候危機打開の問題を取り上げたと述べ、石炭火力から早期に脱却し、温室効果ガスを13年度比で75~80%削減する目標を掲げるべきだと迫りました。山下氏は、削減目標の引き上げを求める切実な声が若者たちから上がっていると述べました。
エネ基について岩渕氏は「原発事故後、可能な限り原発依存度を低減すると言っていたのに、福島を忘れたのか」と政府の方針転換を批判。「政府は市民の声を幅広く聞くべきだ。原案を見直すよう国会でも求めていく」と話しました。
環境省では山下氏が石炭火力の継続方針を批判。「化石燃料から再エネにシフトしなければ日本製品が世界で排除されることを心配する声が経済界からも上がっている。電力、石炭など一部の産業の声に影響されてはならない」と指摘しました。
共産党国会議員団の要請項目
1、次期エネルギー基本計画に、原子力の「最大限活用」や新規建設を盛り込むことは福島第1原発事故の教訓を投げすてるものである。2030年度の原発発電量はゼロとし、すみやかに原発ゼロに踏み出すこと
2、2030年度までに石炭火力を廃止すること
3、2035年度までに2013年度比で75%~80%の排出削減(2019年度比71%~77%削減)など、野心的な目標を掲げること。35年度までにエネルギー消費を6割減らし電力の再エネ比率を8割にするなど、積極的な目標を掲げてとりくむこと
4、市民参加の議論の場をしっかり保障すること。次期エネルギー基本計画について、閣議決定だけで決めるのではなく、国会で決定すること
(「しんぶん赤旗」2024年12月19日より転載)