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「復興までの賠償を」・・福島原発避難者訴訟 口頭弁論始まる/福島地裁 いわき支部

東京電力福島第1原発事故でふるさとを奪われ、過酷な避難生活を余儀なくされた福島県双葉町、楢葉町、広野町、南相馬市に住む17世帯39人(第1次)が総額約19億円の損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が10月2日、福島県いわき市の福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で行われました。

原告の早川篤雄さん(73)、金井直子さん(48)、原告代理人が意見陳述しました。

楢葉町で寺の住職をしてきた早川さんは、福島第1原発から約16キロ、第2原発から約5キロに住み、精神障害者と知的障害者の支援のために四つの施設をつくり、六つの事業を行ってきました。「障害者は94人、避難生活中5人が亡くなりました。こうした彼らを支援することが生きがいでした。しかし、一瞬にして水の泡にされました」と訴えました。

寺のご本尊と仏像も避難先のアパートの押し入れに入ったまま。

「檀家のなかで25人が亡くなり、お葬式もできず納骨もできない人が6人います」とのべて「100年、200年先の人々のために残る人生をたたかい続ける覚悟でいます。文字通りの復興がなされるまで賠償してください」と訴えました。

「この2年半、私たちにとっては長い長い月日です。今でも夢ならば早く覚めてほしい」とのべた金井さん。裁判所と東電に対して「双葉郡の避難指示区域がどんな姿になっているのか、ぜひ現地に立ち入り、その目で確認してください。この裁判において、どうか私たち避難者の声に真摯(しんし)に向き合ってください」と訴えました。

この訴訟で原告らは、①避難者らが原発事故で失った生活を取り戻し、新たな人生を確立するにふさわしい損害賠償を求める②東電の加害責任を明確にさせ真の謝罪をさせる③加害者側が不当に決めた賠償基準を変えて、被害者の原状回復が可能な原発事故損害賠償基準を確立させる−などを目的にして、2012年12月に提訴しました。

 

審査せず不支給決定・・原発労災裁判で国を批判 福岡地裁

原発内で作業して高い放射線を浴び心筋梗塞などを発症したとして梅田隆亮さん(78)=福岡市=が昨年(2012年)2月に国に労災認定と療養給付支給を求めて起こした訴訟の第7回口頭弁論が10月2日、福岡地裁(山口浩司裁判長)であり、原告側は「心筋梗塞以外の疾病について何ら審査しないまま不支給決定をした」と国の判断を批判しました。

原告側は、不支給決定通知書を出した松江労働基準監督署の「調査内容」で、心筋梗塞以外の審査について一切記載がないと指摘。判断過程に重大な欠陥があると主張しました。

心筋梗塞についても、国は梅田さんの被ばく線量を低く見積もり、因果関係を認めていません。

梅田さんは、1979年に中国電力島根原発(松江市)と日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の炉心に近い高線量の場所で足場取り付けなどに従事。その後、発症・悪化した4疾病(心筋梗塞、糖尿病、貧血、高脂血症)と被ばくに因果関係があるとして、療養給付を求めています。

閉廷後の報告集会で、弁護団の池永修弁護士は「心筋梗塞以外の疾病も(医学)統計上、放射線被ばくとの因果関係を否定できない」と述べました。次回は12月18日

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