東京電力は10月1日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、タンク周りの堰(せき)内にたまった水を移送中、移送先のタンクから水をあふれさせた問題で、移送先タンク内の水の全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)の濃度は1リットル当たり390ベクレルと発表しました。このタンクの周りの堰にたまっていた水では同380ベクレルでした。
あふれた水の量を当初4トンとしていましたが、2日の記者会見で5トンに訂正しました。
移送する前の堰にたまっていた水の全ベータ濃度は同160ベクレルでした。東電は、この水を空き容量のあるタンクヘ回収するために移送しようとしましたが、移送ホースの接続が途中で別のタンクに変更されていました。しかし、移送作業をした作業員はこのことをしらず、移送先のタンクで、移送前より高い放射能を含む水をあふれさせる結果となりました。
また東電は、別のエリアに設置された溶接型タンクでも2日、降雨で堰内の水がいっぱいになり、外側にあふれたと発表しました。