東海第2廃炉めざす/栃木 さよなら原発 日光の会
栃木県の「さよなら原発!日光の会」は26日、日光市内で第12回総会を開きました。東海第2原発運転差止訴訟原告団の大石光伸共同代表が記念講演しました。
大石氏は、40年以上が過ぎる東海第2原発について、設計思想が古く老朽化していると資料を提示。能登半島地震で多くの家屋が倒壊し道路も寸断されたことに「複合災害になれば『避難』も『屋内退避』も不可能だ」と指摘し、活断層や土砂災害警戒区域へ向かわせる避難計画まであることに参加者はどよめきました。
東海再処理工場爆発事故、東海村JCO臨界事故、福島第1原発事故など、原子力災害は繰り返されていることに「忘れやすさとたたかうことも必要」と述べました。総会では、「脱原発、東海第2原発廃炉をめざす」「甲状腺検査事業の継続を求める」などとする活動方針を決定しました。
汚染水放出すぐやめて/原発なくす全国連など政府交渉
東京電力福島第1原発事故による汚染水(アルプス処理水)の海洋放出の即時中止と、新たに発生した汚染水の対策を求める政府・東電交渉が29日、参院議員会館で行われました。主催は、全労連や全日本民医連などでつくる「原発をなくす全国連絡会」と「ふくしま復興共同センター」です。
第2次分の署名2万1167人分(累計3万7512人分)を経済産業省の担当者に手渡しました。
交渉で経産省側は、漁業者・福島県民・国民合意のないまま汚染水を放出したにもかかわらず「漁業者から一定の理解を得た」と答弁。東電側は「2051年までに海洋放出が終了できる」としながら放出終了時点での廃炉完了には言及しませんでした。
ふくしま復興共同センターの伊東達也代表委員は「問題は国民合意がないまま進めていることだ。県民の意識調査が必要だ」と指摘。野木茂雄代表委員は「ずさんな計画のままの海洋放出は許せない。ただちに中止し、別の手だてを取るべきだ」と強調しました。
直後の院内集会で、原発をなくす全国連絡会の岸本啓介事務局長は、能登半島地震発災後から署名が広がっていると指摘。「汚染水問題に決着をつけられるよう運動をつくろう」と呼びかけました。
日本共産党の岩渕友参院議員は「政府と東電は、原発事故は終わったことにしようとしている。原発ゼロ実現へみなさんと奮闘する」と述べました。
福島大学の柴崎直明教授が「アルプス処理水の海洋放出は本当に必要か」と題して講演しました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月30日より転載)