福島
東京電力福島第1原発の事故以来、原発ゼロの日本と福島の早急な復興を求めてほぼ毎月行われている原発イレブン行動が11日、福島市でありました。ふくしま復興共同センターの主催です。
同センターの野木茂雄代表委員(県労連議長)は「原発事故も被害も終わったかのように原発推進に熱心な岸田政権は許せない」と力を込めました。
福島原発の廃炉完了に向けた「中長期ロードマップ」の抜本的な見直しが必要だと指摘するとともに、汚染水(アルプス処理水)の海洋放出をただちに中止すべきと強調。「福島第1原発事故の最大の教訓は、原発をただちにゼロにするということ。その闘いと福島県民の暮らしと生業(なりわい)、地域の復興をさらに前に進めるために力を合わせよう」と訴えました。
駆け付けた日本共産党県議らも「原発事故の避難自治体では、医療費や介護保険料の減免措置の打ち切りが差し迫った課題になっている。住民の命綱となっている減免措置などを続けさせよう」と述べました。
プラスターを掲げて行動に参加した橋本光史郎さん(35)は「まだまだ事故は続いている。現状を少しでも発信したい」と感想を寄せました。
東京
全労連や全日本民主医療機関連合会などでつくる原発をなくす全国連絡会は11日、東京・新宿駅前で、原発再稼働や汚染水(アルプス処理水)の海洋放出に反対するイレブン行動に取り組みました。「汚染水の海洋放出の中止と抜本対策を求める署名」「国の原発事故責任を認める判決を求める署名」を呼びかけ、「利権まみれの原発回帰から脱却し再生可能エネルギーの拡充を進めよ」との訴えに多くの人が足を止め署名しました。
全国商工団体連合会の牧伸人常任理事は、政府の原発回帰の背景には大企業や政治家、行政と研究機関が利権で結びついてきた構造があると指摘。「国民の命より金が大事だという政治が繰り広げられてきた。金でゆがめられた政治を変えることなしに私たちの命も安全も守られない」と訴えました。
全労連の石川敏明副議長は「いつまで続くのか分からない汚染水の海洋放出は今すぐ止めよ」と強調。婦人民主クラブの山田博子会長は「福島では事故から13年たつのに、いまだに故郷に戻れない人がいる」と語りました。
日本共産党の井上哲士参院議員は、再エネの出力抑制が行われ燃料費ゼロの電力がみすみす捨てられていると批判。「再エネの潜在電力量は日本の必要量の7倍と言われる。原発への固執が再エネ発展と地域経済を阻害している」と述べました。
東京都新宿区の男性(76)は「自民党は金もうけのために原発を推進したが、事故の負担は国民に押し付けた。もっと真面目な政党を選ぶ必要がある」と話し署名しました。
(「しんぶん赤旗」2024年4月12日より転載)