原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は10月8日、原発再稼働の前提となる新基準への適合性審査の会合で、審査が進行中の6原発10基の電力会社からの資料提出状況リストを示し、事故の発生頻度と影響を計算上評価する「確率論的リスク評価」や、想定される地震による最大の揺れである「基準地震動」など基本的な資料が提出されていないと指摘しました。
その上で、「効率的に議論を進めるためにいつごろ説明できるのか見通しを示してほしい」と述べ、そのための会合を次週にも開くと表明しました。
7月に施行された新基準への適合性審査は、これまで重大事故対策など施設や設備関係、地震・津波・火山対策の二つに分けて電力会社ごとに進めてきました。来週の会合は合同会合とし、電力会社がそろって参加する予定です。
資料提出状況のリストが示されたのは、北海道電力の泊3号機、関西電力の大飯3、4号機と高浜3、4号機、四国電力の伊方3号機、九州電力の川内1、2号機と玄海3、4号機。先月(9月)27日に再稼働申請が出された東京電力柏崎刈羽6、7号機は、今回は対象外になる見通しです。