1日に発生した能登半島地震を受け、過去に原発誘致計画が進められた石川県珠洲市で反対運動に関わった人たちやジャーナリストらが28日、原発の問題点などについて考えるシンポジウムを東京都内で開きました。インターネット放送局OurPlanet(アワープラネット)TVなどの共催です。主催者発表で約180人が参加しました。
シンポジウムでは、1990年にNHKで放送されたドキュメンタリー番組「原発立地はこうして進む 奥能登・土地攻防戦」を上映。原発の用地をめぐり、住民と電力会社の攻防が描かれています。
同番組を制作したジャーナリストの七沢潔さんは、86年のチェルノブイリ原発事故直後、世界では原発の稼働を停止する動きがあった一方で、国内では原発の新規着工が相次いでいたことを指摘。その上で「2003年に珠洲原発の計画が凍結されたのは、地元住民の根強い反対運動があったからだ」と強調しました。
珠洲原発計画の反対運動に関わり、現在は「志賀原発廃炉に!訴訟」の原告団長をしている北野進さんは、珠洲原発の誘致では活断層の存在を否定して計画が進められていたことを紹介。2006年に金沢地裁で初めて志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転差し止めを認める判決を出した井戸謙一弁護士(元裁判官)が、「判決の経験から能登半島地震を考える」と題して講演しました。
科学ジャーナリストの添田孝史さんは、原発立地自治体の地震や活断層などが過小評価されている問題などを指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2024年1月29日より転載)