原発交付金拡充の背景には再稼働の推進など岸田文雄政権の原発回帰政策があります。長期停止中の原発や、国の承認を得ていない避難計画などにまで交付金を出すのはその地ならしにほかなりません。原発の再稼働は政府の思い通りに、簡単に進んでおらず、原発の新増設はさらに難しい。そのなかで既存原発をできるだけ長く使うしかないと、再稼働していない原発を標的に、あの手この手でやってきているのです。
道路などの整備が避難計画の課題になっている自治体にとっては、交付金は飛びつきたい面があり、交付金で再稼働に対する地元の理解を得ようというわけです。原発推進はお金がらみです。
岸田首相は再稼働に向けて「国が前面に立って、あらゆる対応をとっていく」と述べており、改定された原子力基本法に原発の活用を「国の責務」と明記しました。原発回帰を許さないたたかいがいっそう重要です。
(「しんぶん赤旗」2024年1月29日より転載)