能登半島地震 沿岸域の活断層が動いたか 3ブロックの境界に警戒を・・専門家指摘
今回、最大マグニチュード(M)7・6(暫定値)の地震を含む能登半島地震の一連の地震活動は、100キロメートル以上の長大な範囲で発生しています(震央分布図)。ちょうど能登半島の北端部の東西には、能登半島北部沿岸域断層帯が延びています。この断層帯の西端では2007年3月に、M6・9の地震が発生しています。
新潟大学の立石雅昭名誉教授(地質学)は今回、この活断層が動いた可能性を指摘します。「すごく長い距離が動いている。M7・6というのは、内陸に近い活断層の動きとしては規模が大きい。とくに震度7を観測した石川県志賀町の状況はまだ十分把握されていないので気になっているが、志賀原発のすぐ北にある富来川(とぎがわ)南岸断層など、今後動く可能性があると心配している」と話します。
立石さんによると、これまでの変動地形学の研究でここ10万~数十万年前の堆積物の分布が調べられ、能登半島は、能登半島北部沿岸域断層帯、富来川南岸断層、邑知潟(おうちがた)南縁断層帯によって、三つのブロックに分かれて変動することが指摘されています。(概念図)
ブロックは、北が高くなり、南が低くなるような逆断層型の動きをしています。
今回、最も北側のブロックの北端の断層が動いたと考えられ、立石さんは「同じような応力場で、残りの二つの断層も動く可能性に注目しておく必要がある。調査し、対策を考える必要がある」と指摘しています。(中村秀生)
(「しんぶん赤旗」2024年1月3日より転載)