鹿児島県議会は26日の本会議で、九州電力川内(せんだい)原子力発電所の20年延長運転の是非を問う県民投票条例案、同条例の修正案を、賛成少数で否決しました。賛成したのは、日本共産党のたいら行雄県議、県民連合(7人)、無所属(3人)の11人で、県民投票は実施されないことになりました。
市民団体「川内原発20年延長を問う県民投票の会」は閉会後、県庁前で集会を開き、抗議の声を上げました。
同条例案は、「県民投票の会」が4万6112人の署名を添えて直接請求したものです。4議員が賛成討論に立ち、共産党の、たいら県議は「そもそも県民投票は知事自身が公約に掲げたもの」「県民の声を直接聞く機会である、県民投票の実現を県議会として判断してほしい」と可決を求めました。
これに対し、「極めて重要で複雑な問題を、県民に二者択一の選択を求めることは慎重であるべき」だ(公明)などとして、自民(議長以外の33人)、公明(3人)などの39人が反対。自民党県議団は25日に開かれた総合政策建設委員会で、「原子力政策は国策であるので国が責任をもって判断すべきであり、県民投票はなじまない」などと述べ反対しました。
集会で県民投票の会の向原祥隆事務局長は「署名を通じて原発の延長運転の問題について県民に広く知ってもらう機会になった」と運動の意義を強調。「塩田知事は県民にウソをついた。自民、公明は国言いなりで県民の声を聞かない。来年の知事選で県民の声を聞く知事を選ぼう。立民、社民、共産、新社会党がみんなで一丸となって県政も国政も変えよう」と呼びかけました。
(「しんぶん赤旗」2023年10月27日より転載)