東京電力は25日、福島第1原発事故で発生した放射能汚染水を処理する多核種除去設備(アルプス)の配管の洗浄作業中に、放射性物質を含む水が飛散して、作業員4人に身体汚染が確認されたと発表しました。そのうち2人は十分に除染できず、26日現在も除染を継続し経過観察のために入院しています。
東電によると、25日午前10時40分ごろ、アルプスに送る汚染水を前処理した後の水を通す配管の洗浄を行っていた作業員5人に、洗浄水(硝酸水)の水滴やミストが飛び散りました。飛散したのは100ミリリットル程度とみられています。
その後、作業員1人の全面マスクに汚染が確認されたほか、装備していた線量計(ベータ線)の警報が鳴り、6・6ミリシーベルトの被ばくが確認されました。
5人のうち4人に身体汚染が確認され除染を行いましたが、2人は汚染レベルが基準より下がらず、同日夜に原発構内から福島県立医科大学付属病院に搬送。医師の診断と除染を開始し、26日も除染を続けています。
皮膚への外傷は確認されていないといいます。除染が十分にできないことについて東電は、放射性物質が毛穴に入り込んだことなどが考えられると説明しています。
(「しんぶん赤旗」2023年10月27日より転載)