鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の九州電力川内原発1・2号機の20年延長運転の是非を問う「県民投票条例」の制定をめざす、「川内原発20年延長を問う県民投票の会」は4日、全県で集められた署名4万6112人分を、塩田康一知事宛てに提出し、条例制定の本請求をしました。
本請求を受けて、塩田知事は20日以内に県議会臨時議会を招集、条例案に知事自身の意見を付けて、県議会に提案し、県議会が条例の可否を審議します。
向原祥隆事務局長は「県政の主権者である県民が、法定数をはるかに上回る署名を集めて県民投票条例制定を請求した。民主主義の原則にのっとり、県民投票を実施するのか、それとも国や電力会社の意向をうかがい県民の意思を無視するのか、知事と県議会の良心が問われている」と語りました。
塩田知事は、県民投票を公約に掲げていたものの、5月末に川内原発について検証する県の専門委員会が報告書をまとめたことを受け、県民投票を行わない意向を示しており、条例案にどのような意見を付けるのかが注目されます。
「県民投票の会」は本請求に先立ち、県庁前で集会を開き、150人が参加しました。原発から約8キロの地点に暮らす、薩摩川内市の下馬場学さん(68)は、住民は常に原発事故のリスクにさらされていると述べ、「署名の重みを受け止め、何としても県民投票を実施してほしい」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2023年10月5日より転載)