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汚染水放出 1回目終了・・福島第1 計7800トン タンクの0.6%

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射能汚染水を浄化処理した後に残る高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水(アルプス処理水)を、放出基準値未満まで海水で希釈して海に放出する計画について、東電は11日、1回目の放出を予定通り終了したと発表しました。2回目の放出時期は9月末にも公表したいといいます。

 放出は8月24日に開始。放出した処理水は計約7788トンで、敷地内のタンクに現在ためられている処理水など(約134万トン)の0・6%。放出したトリチウム総量は1・1兆ベクレル。トリチウムを含む放射性物質の希釈後の濃度は、放出基準の270分の1程度とみられます。

 排水前分析によると今回の処理水には、トリチウムが国の放出基準(告示濃度限度=1リットル当たり6万ベクレル)の2・3倍にあたる、同14万ベクレル含まれていました。東電の計画では、これに大量の海水を混ぜて約740倍に希釈。原発の沖合1キロメートルの海底にある放出口から放出するとしていました。測定結果によると、トリチウムは同200ベクレル程度の濃度で放出されたとみられ、周辺の海水から同10ベクレルが検出されました。

 処理水には、トリチウム以外の放射性物資も残留しています。そのうち評価対象とされた29物質の濃度を合わせると、放出基準の0・28倍でした。これらも海水と混ざることにより、放出基準の2600分の1程度に希釈された計算です。

 東電は、トリチウム濃度の薄い処理水から放出する計画で、今年度中に計4回の放出を予定。いずれも1回目と同じ約7800トン、トリチウム濃度は今回と同程度~1・5倍。

 海洋放出をめぐっては、地元の漁業者をはじめとして国内外から反対や懸念の声があがるなか、岸田文雄政権が8月22日、放出を同24日に開始すると一方的に表明。住民から差し止めを求める訴訟も起きています。

(「しんぶん赤旗」2023年9月12日より転載)