政府が九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)で、東京電力福島第1原発事故後初めて行った原子力総合防災訓練が、10月19日終わりました。
同訓練は2000年から年1回、各原発持ち回りで行われ、08年には福島第1原発で行われました。しかし、11年の福島原発事故では役に立たず、国会事故調の報告でも「訓練のための訓練」と批判されました。
今回は、従来のシナリオどおりの訓練から、多くの参加者に細かい事故の進展を知らせず、順次報告、行動する訓練にしたことが特徴です。
震度6強の地震で原子炉の冷却機能が失われ、放射性物質が外部に拡散したと想定、安倍晋三首相が原子力緊急事態を宣言しました。首相官邸、原子力規制庁、関係自治体など約130機関、住民を含め3300人が参加。関係機関がテレビ電話で情報を共有し対応にあたりました。
福島原発事故後の原子力災害対策指針(防災指針)の改定に伴い、▽原発から半径30キロ圏内まで広げられた緊急時防護措置準備区域(UPZ)の住民の避難▽甲状腺被ばくを防ぐヨウ素剤服用の指示▽緊急時モニタリング▽高齢者など援護を必要とする人の避難・・などが行われました。
訓練の検証会合も後日開かれる予定です。