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汚染水放出 東北3県で抗議

街頭集会の最後に「海洋放出反対」とシュプレヒコールする参加者ら=24日、福島県いわき市

福島 復興の妨げ明らか

 福島県いわき市の労働組合や政党で構成する「7者共闘」は、岸田政権が汚染水の海洋放出を始めた24日、放出の中止を求め、JRいわき駅前で緊急の街頭集会を開きました。

 オンライン中継の視聴を含め県内外から100人が参加しました。

 市内の女性は「私たちは漁業者を支えて『ふざけるな』と声を上げていきたい」と訴えました。

 日本共産党の高橋明子市議は「多くの人に海洋放出は仕方ないという思いをさせない行動力を持ちましょう」と語り、社会民主党県連代表の狩野光昭市議は「薄めて流しても放射性物質を含むことには変わらない。命の海を守るために訴え続けていきたい」と訴えました。

 いわき市労働組合総連合事務局長の鈴木茂男さんは「政府は放出しなければ復興できないというが、放出することが復興を妨げることは明らかだ」と力を込めました。

 飛び入りで聞き入っていた一橋大学4年生の学生(22)=東京都国分寺市=は「漁業者だけ、福島だけの問題ではないという訴えが印象に残った。東京にいるだけではわからないことがあると痛感した」と話しました。


「汚染水を海に流すな」とコールする参加者ら=24日、盛岡市

岩手 三陸の海をまもれ

 いわて労連、岩手県革新懇など5団体は24日、盛岡市で福島原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出強行に抗議する緊急宣伝に取り組みました。20人が参加し、「三陸の海を守れ」などのプラカードを持ってアピールしました。

 県革新懇の国分博文事務局長は、汚染水の放出強行は漁業者や国民との約束を一方的に破るもので、民主主義を根底から壊す暴挙だと強調しました。

 「漁民は『海にこれ以上“毒”をまかないでくれ』と切実に願っている」(県農民連)、「被災3県の生協連が集めた25万人分の反対署名を無視するな」(いわて生協労組)などの訴えが続きました。

 日本共産党の吉田恭子県副委員長は「原発事故の教訓を投げ捨てて、東京電力のもうけを国民の安全や被災地の苦難よりも上に置いていいのか」と批判しました。

 通りがかった男子学生(18)は「汚染水放出後の魚を食べて自分たちの体に影響はないのか。不安です」と話していました。


拳を突き上げ抗議の声を上げる人たち=24日、青森市

青森 違う解決策考えて

 「戦争いやだ、憲法守れ!県民の会」(憲法ネット青森)の呼びかけで、汚染水の海洋放出強行に抗議する緊急宣伝が24日昼、青森市で行われました。

 福島県の原発事故を機に、同県川俣町から青森へ避難しているという男性(69)も飛び入りで参加。24人の参加者は、放出開始の午後1時すぎまでの30分間、漁業者との約束をほごにし、国民の声を無視して強行する岸田政権へ怒りの声を上げ続けました。

 スピーチでは、二度と事故を繰り返さないために原発・核燃の撤退を求める声も。憲法ネット青森の奥村榮共同代表は「青森から、断固反対の声を一緒に上げよう」と力強く呼びかけました。

 宣伝を見ていた女性(85)は、「政府の“問題ない”はもう信用できない。もっと違う解決策を真剣に考えてほしい」と共感を寄せました。

(「しんぶん赤旗」2023年8月26日より転載)