被害の拡大をもたらす愚挙 ひだんれんなど
原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)など3団体は24日、福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出決定を「歴史的愚挙」だとして撤回を求める共同抗議声明を発表しました。
声明では、「原発事故で回復不能な被害を与えたうえ、さらに被害の拡大をもたらす愚挙に私たち…被害者は腹の底からの怒りを込めて抗議し、決定の撤回を求める」と訴えています。
また、海洋放出ありきで突き進んできた政府の姿勢は「GX束ね法案」強行とともに「歴史に残る愚挙と断じざるを得ない」と批判。「原発事故から12年、未(いま)だ被害の渦中に苦しむ私たち原発事故被害者は、新たな被害を生み出さないために(新たな道を選ぶよう)強く求める」と述べています。
汚染水発生量 抜本的削減を 地団研
地学団体研究会(地団研)は20日に開いた総会で、東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)海洋放出の強行に反対し、汚染水発生量の抜本的な削減を求める声明を発表しました。
地団研の福島第1原発地質・地下水問題団体研究グループは、昨夏、汚染水の海洋放出を避けるために、原子炉建屋への地下水流入を抜本的に削減する対策を提案。声明では、この提案が国内外から「根本的な対策」として注目を集めていると強調しています。
総会では、原発回帰法ともいえる「GX脱炭素電源法」が5月に成立したことに抗議する声明も採択。同法の成立は、福島原発事故後の教訓と福島県民の苦しみを無視するものであり、「将来のエネルギーを再生可能エネルギーではなく、原子力に負うこととし、真の脱炭素の実現にも有害」だと指摘しています。
また、政府が「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会」を設置し、学術会議の独立法人化も含めて検討する方針を示していることに対しても、声明で反対を表明。政府の人選による非公開の懇談会ではなく、学術会議が求めている「開かれた協議の場」を設けるよう、政府に求めています。
新たな国民負担 ただちに中止を 消費税なくす会
消費税をなくす全国の会は24日、岸田文雄首相が東京電力福島第1原発から出る汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を決行したことに抗議し、ただちに中止するよう求める前沢淑子事務局長の声明を発表しました。
政府・東電と地元漁業者の約束をほごにした決定であり「汚染水処理経費は当初の予算より増額され、新たな国民負担となる」と批判。「消費税廃止、当面5%への減税」「税金の無駄づかいをやめよ」と活動する会として「これ以上の国民負担増になることは許せません」としています。
現在と未来に深い悔恨残す 新日本婦人の会
新日本婦人の会は24日、東京電力福島第1原発からの汚染水(アルプス処理水)の海洋放出開始に抗議し、ただちに中止するよう求める文書を岸田文雄首相と小早川智明東電社長に送付しました。
現在と未来に深い禍根を残すものであり、政府と東電の重い約束をほごにした強行は「地元漁業者が積み重ねてきた努力を台無しにするもの」と批判。増え続ける汚染水を止めるための真に適切な根本対策をとるよう強く求めています。
(「しんぶん赤旗」2023年8月25日より転載)