東京電力福島第1原発事故で国の責任を求めて最高裁に上告している、いわき市民訴訟原告団・弁護団は17日午前、公平・公正な審理を求めて最高裁に請願書を提出しました。午後には、国の責任を認めさせる上告審のたたかいについての報告集会もありました。
同訴訟をめぐっては今年3月、仙台高裁が東電の無過失責任を認定したものの、国の責任を否定する判決を出しました。高裁判決について原告側は、対策をしても事故が防げなかったから国に責任はないとした昨年6月の最高裁の判断に追従する内容だとして上告しました。
請願書では同訴訟について、公平・公正な審理とともに、昨年の最高裁判決を出した第2小法廷の一部の裁判官の実態に照らして「公正さを保って審理できない」として、同小法廷が担当するのを避けるよう求めています。
最高裁前の請願行動で、いわき市民訴訟の伊東達也原告団長(81)は「福島県民は(3月11日と6月17日の)二つの月命日をもらった感じだ」と強調。国の責任を否定した昨年6月17日の最高裁判決は「誠に不当な公平・公正さを欠く判決」で、「覆さなければ、大事故を繰り返す最悪の道」だと述べ、公平・公正な審理を最高裁に求めていく決意を述べました。
行動には、各地で同様の集団訴訟をたたかう原告らも参加。衆院第2議員会館で開かれた報告集会には約140人が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2023年8月18日より転載)