中国電力が使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設の調査を山口県上関町に申し入れた2日朝、同役場前では中間貯蔵施設の建設に反対する町民ら約40人が「使用済核燃料おことわり」と書いた横断幕を掲げ、「いりません」と抗議しました。
面会は非公開で行われ、西哲夫町長は面会後、取材陣に「議会と相談し、近いうちに臨時議会で私の考えを申し上げ、議員の意見を伺って結論を出したい」と述べました。
西町長はその後、反対する町民らと面会。参加者によると町民側が「住民に対して説明も資料も何もなく、議会で決を採って決めるのは、住民をないがしろにしている」と訴えたのに対し、西町長は「議員は住民の代表だ」と答え、議論は平行線だったと言います。
「原発や使用済み核燃料の問題を町議10人で決めていい話ではない」。上関原発の建設予定地の対岸の祝島でヒジキ漁を営む岡本直也さん(32)はこう憤り、「すごく大きな問題なのに、決めるところは小さくする」と対応を批判しました。
祝島の綿村育良さん(41)は「中間貯蔵施設が『地域振興策』になると思うのがおかしいよ。約40年間、原発マネーに頼り、町づくりを考えてこなかったから、こういうことになる」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2023年8月3日より転載)