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原発ケーブル不備 運転・・笠井氏 継続容認の規制委批判

 関西電力、九州電力の原発で火災防護対象のケーブルが認可された設計に従って施工されていなかった問題で、日本共産党の笠井亮議員は12日、衆院経済産業委員会で政府の姿勢を追及しました。

 2021年に関電美浜原発3号機(福井県)の火災防護対象ケーブルが火災で共倒れを防ぐため二つの系統を分離する設計で認可されていたのに実際には分離されていなかったことが判明。このことから、関電、九電、四国電力で原発のケーブル状況を確認したところ、関電高浜原発1~4号機、同大飯原発3、4号機(いずれも福井県)、九電川内原発1、2号機(鹿児島県)、同玄海原発3、4号機(佐賀県)でも認可された設計に従った分離がされていないことが発覚しました。

 関電と九電の原発で対策が必要なケーブルの総延長は約12キロです。両社とも工事完了までに相当の期間を要することから、その間、ケーブルの周囲に可燃物を配置しないなどの処置を施すとしています。規制委は、それらの措置をすることを前提に運転停止を求めない方針です。

 笠井氏は、ケーブルが分離されていない場合、最悪の事態では炉心溶融に結びつくと指摘。これら11基の原発について「原子炉等規制法に基づいて直ちに使用停止を命令すべきだ」とただしました。

 規制委の山中伸介委員長は、「技術基準に適合しているとは判断できない」と認めながら、「ただちに原子炉の停止を命ずる必要はない」と強弁しました。

 笠井氏は、岸田首相が原発推進等5法案の審議で「規制基準への適合性が確認できない原発の運転は一切認められない」と答弁したのだから、適合性が判断できない原発の運転は止めるべきだと迫りました。

 西村康稔経済産業相は、首相答弁と同じ認識だとしながら「コメントすることは差し控える」などと述べるだけでした。

 笠井氏は、岸田内閣による原発「最大限活用」の大前提が崩れているとして、参院で審議中の同法案は廃案にすべきだと求めました。

(「しんぶん赤旗」2023年5月13日より転載)