新潟県の大学教授や元高校教員など地質の研究者でつくる「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」(大野隆一郎代表)は27日、新潟県刈羽村で東京電力と柏崎刈羽原発の地盤の安全性に関して懇談しました。
研究会は今年1月、東電に対して、柏崎刈羽原発の敷地内や周辺を通る断層が将来ずれ動く危険がある活断層かどうかなど地盤の安全性を判断するために、東電が2019~20年におこなった柏崎平野南東部の地質調査のデータなどをすべて開示し、研究会と安全性の確認をするための議論をする場を開くよう申し入れていました。
活断層か判断する年代特定に必要な地層の特徴や火山灰の成分データについて、東電は「整理し論文にしてから開示したい」として、今回は開示しませんでした。敷地内に新たに見つかった15本の断層データは「特定重大事故等対処施設に関わるセキュリティー上の問題から非公開」と答えました。
研究会は、19~20年の東電のボーリング調査で得られた堆積物の特徴、柏崎平野南東部の段丘の地形的特徴から、活断層の基準となる12万年前以降の断層や地殻変動が考えられると指摘しましたが、東電は、活断層ではないと断言できないが、活断層だとしても地震動評価で考慮される範囲内で、安全性に問題ないと答えました。
懇談後、大野代表は、研究会が長年指摘してきた問題点を伝えたが、明快な回答やデータの開示がなく、従来の主張の繰り返しで残念だったと指摘。敷地内に活断層がないと判断するには調査は不十分で、再調査結果を開示して引き続き議論し、市民にも公開することが大切と話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月29日より転載)