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原発推進法案を批判/衆院通過で原子力情報資料室

 NPO法人原子力資料情報室は27日、原発推進等5法案(GX電源法案)が衆院で自民・公明・維新・国民民主らの賛成多数で可決されたことについて、「欺瞞(ぎまん)と偽りに満ちた国会審議」と批判する声明を発表しました。

 声明は、原子力基本法改定案で原子力の推進を国の責務としていることについては、原子力の固定化につながり、エネルギー供給の柔軟性を損なうことになると非難。政府が、原発再稼働は電力価格抑制につながると主張していることについて、原発再稼働による電力の価格抑制効果はわずかで、維持に多大なコストがかかることを指摘し、「大きなリスクに比してあまりに小さいメリット」としています。

 原発の運転期間延長について、世界最高齢の原発は53年であり、60年運転でさえ未経験の世界だと強調。運転期間延長の議論の中で原発の安全性を担保しているはずの原子力規制委員会の独立性が疑わしいことも明らかになったとしています。

 その上で、1979年の米スリーマイル島原発事故、86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の貴重な教訓を日本は2度とも自分ごととしてとらえることなく、2011年に福島第1原発事故に至ったと指摘。今回、「自らが経験した3度目の教訓を投げ捨てようとしている」と批判しています。

(「しんぶん赤旗」2023年4月29日より転載)