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生きる場 追われた・・伊方原発訴訟で証人尋問開始 松山地裁

入廷行進する原告と弁護団、支援者ら=20日、松山市

 伊方原発3号機運転差し止め訴訟の第33回口頭弁論が20日、松山地裁(菊池浩也裁判長)で開かれ、証人尋問が始まりました。今回は、原告の渡部寛志さん(福島原発事故避難者)と長生博行さん(伊方町在住)の2人に対する証人尋問がありました。

 渡部さんは、福島県南相馬市小高区で農業を営んでいる時に福島第1原発事故があり、妻と子どもとともに愛媛県に避難しました。しかし、まさかと思っていた伊方原発が再稼働。妻は長男を連れて「同じ原発の危険なら、福島に戻る」と2019年に離婚。子どもたちを守るために選んだ愛媛の暮らしは崩壊しました。

 「愛媛に避難した時は、伊方原発は廃炉に向かうと信じていた。生きる場を追われ、いくつもの家族が引き裂かれ、営みを破壊された。事故を起こさないためにも伊方原発の運転を止めてほしい」と訴えました。

 長生さんは、伊方原発から15キロの旧三崎町に居住。避難道である国道197号はトンネルが多く崩落が心配され、三崎港も津波で使用できない可能性があるとして、「陸路避難では、原発のすぐ脇をすり抜けなくてはならない。放射能汚染の危険がある。避難計画は机上の空論だ」と証言しました。

(「しんぶん赤旗」2023年4月22日より転載)