5月に広島で開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、グローバルな課題についてG7首脳への提言を届けた市民社会による「C7サミット」が13日、東京都内で開催されました。12日には、72カ国から700人以上の代表者が作成にかかわった核兵器廃絶や気候・環境正義、公正な経済への移行など6分野にわたる提言を岸田文雄首相に手渡しました。(関連14面)
気候分科会では、気候危機が不平等を悪化させていることを強調し、社会的公平性に基づく対策を求めました。
分科会のコーディネーター、遠藤理紗・「環境・持続社会」研究センター事務局次長は、気候危機に対しG7諸国は「圧倒的責任がある」と強調。一方で責任を負っていない人々が被害を受けていると述べ、提言を出した背景に不平等の問題があると語りました。
提言は、G7がすべての化石燃料の段階的廃止を率先して行うことや再生可能エネルギー投資の劇的な加速、人権や生物多様性を守ったエネルギーの転換を求めています。また、気候変動にぜい弱な国への資金提供や、社会的に弱い立場にある女性、若者などの権利向上や意思決定への参加を要求しています。
国際環境NGO・CANインターナショナルのハージト・シンさん(インド人コーディネーター)は「特に日本の問題だ」として、アンモニアや水素混焼による石炭火力延命策を「誤っている」と断罪。原発は危険が大きく「依存してはならない」と強調しました。提言は、東京電力福島第1原発からのアルプス処理水の海洋放出の中止も求めています。
各国からの参加者も発言。ヒマラヤ山脈の雪解けによる被害(ネパール)などが訴えられました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月14日より転載)