福島 汚染水放出やめて
東京電力福島第1原発事故以来毎年続いている「原発のない福島を! 県民大集会」が19日、福島市のパルセいいざかで開かれ、約900人が参加しました。平和フォーラム、ふくしま復興共同センターなど幅広い団体が加わる実行委員会の主催。放射能汚染水(ALPS処理水)の海洋放出を強行させず、原発回帰の方針転換を許さないとの集会アピールを採択しました。
角田政志実行委員長はあいさつで、「福島原発事故で原発の『安全神話』は根本的に崩れた。安全性を最優先することは原発との決別しかない。(福島の現状から)原発回帰は受け入れられない」と強調。汚染水の海洋放出についても「再検討し、陸上保管を継続しつつ安全な処理方法の確立に努め、海洋放出を強行しないよう求め続ける」と訴えました。
さようなら原発1000万人アクションの藤本泰成氏が連帯あいさつしました。
福島からの発信として、二本松市の有機農業者、飯舘村の避難体験者が発言。海洋放出などに反対する若者たちの「ダッペ」のメンバーは「海洋放出の方針は結論ありきではないか」と批判しました。
4人の「高校生平和大使」も「福島で起こったことが二度と起こらないよう、しっかり伝えていきたい」と話しました。
岩手 ゼロへ頑張りどき
「さようなら原発 岩手県集会」が18日、盛岡市で開かれました。48団体でつくる実行委員会が主催し、170人が参加。ALPS処理水(汚染水)の今春の海洋放出中止などを求めるアピールを採択しました。
龍谷大学の大島堅一教授が「原発回帰は許されない」と題して講演。電気料金値上げは化石燃料の高騰などが原因で「原発の停止とは関係ない」と批判しました。福島原発事故後、原発の廃炉や放射性廃棄物処理の費用が膨大になり、その分が電気料金に上積みされていると述べました。
大島氏は、岸田政権が原発政策大転換のGX(グリーントランスフォーメーション)関連束ね法案を短期間で閣議決定し、22日から国会での審議が始まる重大局面だと指摘。法案阻止に向け、原発ゼロをめざす市民運動の頑張りどきだと強調しました。
原発事故被害・いわき市民訴訟原告団の伊東達也団長が集会に手紙を寄せ、主催者が代読。同種の集団訴訟で国の責任を認めなかった昨年6月の最高裁判決を乗り越える国民運動を起こそうと訴えました。
集会後、参加者らは市内をアピール行進。若者グループが注目したり、高齢の女性が手を振ったりしました。
(「しんぶん赤旗」2023年3月20日より転載)