日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 原発延命 CO2減らず・・GX推進法案告発 院内集会開く

原発延命 CO2減らず・・GX推進法案告発 院内集会開く

 原子力市民委員会は20日、今国会で審議が始まったGX(グリーントランスフォーメーション)関連の法案のうち、「GX推進法案(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案)」の問題点を検討する緊急院内集会を開きました。将来への新たなツケ回しになると批判の声を上げました。

 GX推進法案は、政府が定めた原発推進を含む「GX推進戦略」に官民の投資を集中させる内容。「GX経済移行債」の発行や「GX推進機構」の設立が含まれています。

 原子力市民委員会座長の大島堅一・龍谷大学政策学部教授は、法案はCO2排出削減に効果の無い原子力や火力発電の延命につながると指摘。「将来世代に負担を押し付け、選択肢の幅を全くなくすものなので廃案にしたい」と語りました。

 松久保肇・原子力資料情報室事務局長は、推進機構について資金がブラックボックス化する懸念を示した上で、資金の流れについて「汚染者に補助金が流れ、国民が負担するというスキームは、汚染者負担原則に反するのではないか」と述べました。

 明日香壽川・東北大学教授は、同法案についてCO2削減、雇用拡大、経済成長、エネルギー安定供給につながらない上に、経済合理性が劣り、「国民負担が増大する」と指摘。満田夏花・国際環境NGO「FoE Japan」事務局長は、移行債による資金の使途、推進機構に流れこむ資金の流れが不透明で国会による監視、検証ができないと批判しました。

(「しんぶん赤旗」2023年3月21日より転載)