東日本大震災・東京電力福島第1原発事故の発生からまもなく12年。全労連、全日本民医連などでつくる原発をなくす全国連絡会は3月4日に「福島を忘れない 原発推進を許すな 原発ゼロ集会」を東京・日比谷野外音楽堂で開きます。岸田政権の原発回帰方針を撤回させ、原発ゼロを実現するたたかいについて、同連絡会の岸本啓介さん(全日本民医連事務局長)に聞きました。
東電福島原発事故が発生した2011年3月11日から12年たっても、復興は道半ば、廃炉方針の見通しも定まらず、さらに数万人の人々が故郷に戻ることができていません。福島の現状を見れば、「原発ゼロ」こそ日本のとるべき進路であることは明らかです。
岸田政権は閣議決定だけで、「グリーントランスフォーメーション」として、運転期間の延長、新増設・リプレース(建て替え)まで掲げています。
異常な原発回帰
また、原発回帰方針はやり方も極めて異常です。
昨年の参院選で、自民・公明与党は“原発依存の低減”“新増設はしない”“運転期間は守る”と公約しましたが、すべてひっくり返しました。
方針を追認した原子力規制委員会の対応も重大です。意見も出されながら、多数決で押し切りました。3・11前までの原発の推進と規制が一体化した形に戻す動きです。規制委の信頼を損ねるだけでなく、原発事故の教訓も踏みにじるものです。
私たちの運動の原点は、福島原発事故の現実と福島の真の復興です。3月4日の原発ゼロ集会は、4年ぶりの全国集会です。岸田政権の原発回帰を許さない結節点として、多くのみなさんの参加を呼びかけます。
新たに全国署名
全国連絡会は、岸田政権の原発回帰方針の撤回を求める全国署名を新たに取り組みます。各地で原発再稼働の動きが広がっています。立地地域と全国が連帯し、世論を大きく広げていきたい。
岸田政権は、原発事故による放射能汚染水の海洋放出も狙っています。地元は納得していません。安全性への批判にも応えないまま強行することは許されません。
この間、さようなら原発1000万人アクション実行委員会、国際環境NGO「FoE Japan」など環境団体との共同を広げてきました。2月10日には、岸田政権の原発回帰方針の閣議決定に抗議する行動を一緒に行いました。気候危機打開と原発回帰の撤回を求める共同の取り組みとして強めたいと思います。
政府は、原発推進の立場でも、「福島原発事故の教訓」「安全神話からの脱却」「避難計画」を掲げざるを得ません。これは粘り強い国民の運動の力です。岸田政権の暴走を食い止める運動と共同をさらに広げ、原発回帰路線を撤回させ、原発ゼロの日本への道を開くため、奮闘していきます。
日時=4日(土)午後1時15分~
場所=日比谷野外音楽堂
プログラム=国会議員あいさつ▽メインスピーチ=フォーラム4代表 古賀茂明さん▽連帯あいさつ=国際環境NGO「FoE Japan」 吉田明子さん▽特別発言=いわき市民訴訟原告団長 伊東達也さん▽原発をなくす群馬の会から=丹治杉江さん
終了後、銀座までパレードをします。
(「しんぶん赤旗」2023年3月1日より転載)