原発ゼロの日本を築くことなどを目指して活動する原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)は29日、「原発再稼働・新増設を許さない全国交流集会in新潟」を新潟市で開きました。各地から約170人が参加。「岸田政権の原発推進への回帰は、国民の生命と財産を、事故の脅威にさらすもの」で、この道では「日本の未来はない」とのアピールを採択しました。
原住連筆頭代表委員の持田繁義氏(日本共産党柏崎市議)は開会あいさつで、岸田政権が原発再稼働の加速をはじめ老朽原発の60年超運転や原発の新増設の方針を決めたことに「タガがはずれたような原発回帰だ」と批判しました。
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が焦点になっている新潟県では、前知事の意向でできた「新潟県原子力発電所事故に関する三つの検証委員会」の検証結果をとりまとめる検証総括委員会があります。しかし、この2年、委員会が開かれていません。
この委員会で委員長を務める池内了氏(名古屋大学名誉教授)が「新潟県における福島原発事故の検証」と題して講演。池内氏は同委員会をめぐって「県と共通認識が持てていない」と述べ、「私は科学者として十分納得できる検証総括を提案している。県民のための総括を行いたい」と強調しました。
元新潟県技術委員会委員の立石雅昭氏(新潟大学名誉教授)は「柏崎刈羽原発の安全性にかかわってどのようなまとめになるかは県民の問題だ」と検証総括委員会を開かせる重要性について問題提起しました。
交流集会では7道県から、再稼働を許さない署名活動や「核のごみ」の最終処分の撤回を求める運動、避難計画の実効性を問う裁判、原発事故避難者の苦悩、老朽原発反対や運転延長反対の運動などが報告され、「原発をなくすたたかいを発展させたい」思いがあふれました。
(「しんぶん赤旗」2023年1月30日より転載)